Linux、Mac、RasberryPiでUSIエンジンを動かす方法 (2021年11月更新)
現時点(2021/11月)ではほとんどの将棋ソフトはWindows用に作られています。しかしオープンソース化のおかげで開発環境さえ整えればソースからコンパイルして使うことができるソフトが増えました。ここでは備忘録的に何がどの程度動くのかメモしておきます。
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インターフェース:Macでは将棋所が動くようになりました。monoを使うとLinuxでWindows用のインターフェースが使えます。私が確認できた範囲では、Linuxでは日本語環境で将棋所とShogiGUIが両方使えます。将棋ブラウザQはWindows/Mac/Linux全てで使えますが、連続対局やPonderがうまく働かないなど機能的に将棋所・ShogiGUIに追いついていないようです。
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エンジン:Linuxでは開発環境はデフォールトでついてきます。Macの場合、Appleが提供している開発環境はclangという少し癖があるものなのでフリーソフトをコンパイルできない場合があります。Homebrewでgccを導すると多くの場合うまくいきます。オープンソースのソフトは基本的にはgccでコンパイルすることができるはずです。代表的なエンジンであるやねうら王・技巧はコンパイルして動かすことができます。M1チップのMacの場合、現在コンパイルできて使えているのはやねうら王とAperyです。Kristallweizenの評価関数を用いたYO7.0のバイナリーファイルはこちらで公開されています。
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2017/10/03 Rasberry pi 3 Model Bでも将棋エンジンは動きます。なのはmini/nano, やねうら王kpp_kkpt(評価関数を小さくしたバージョン)はソースからコンパイルすることにより動くことを確認しました。やねうら王のビルドの方法と外部のPCからラズパイのエンジンを使う方法はこちらを参考にしてください。(なのはのコンパイルはmakeするだけです。外部との接続はやねうら王と同様にできると思われます。)ラズパイのレーティングはやね+epoch4評価関数の組み合わせで3000前後(現在測定中)。なのはとの組み合わせだとアマチュア有段者のレベル(R2000)くらいです。