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駒得によるハンデ

前の記事で駒落ち(香落ち、角落ち、飛車落ち、二枚落ち)でどの程度レートを落とせるのか、検証いたしました。最近81道場の代表をされている方が、上手の駒を落とす代わりに、上手陣の駒を下手に与える状態から指し始めることにより、より自然なハンデが与えられるのではないかと提案されています。せっかく駒落ちについて検証したので駒得によるハンデも調べてみることにしました。上記のサイトでは将棋ソフトで初期状態を深く読ませて評価値からハンデの大きさを類推しているものと考えられます。私のサイトではその初期状態から実際に対局させて(一手五秒、4スレ)その勝ち負けからレート差がどの程度になるかを決めます。他の記事と同様、この記事も長い調査期間が必要ですので折に触れて少しづつ調べていき、追記していきたいと思います。ソフトは浮かむ瀬を使うことにいたします。

(1) 両端歩得

上手の両端の歩を下手の持ち駒にする。上記の記事では飛車落ちよりも大きなハンデではないかと図示されています。(レート差1000以上?)ただ歩がないことにより香車が直射するため計算が食い違う可能性があると書かれています。まずはこれから調べてみることにしました。まず、初期盤面の評価値ですが浮かむ瀬で下手400有利になります。これは実はたいした差ではありません。(飛車落ちの場合は約1000位ある)一応上記サイトで行っているレート差が1000位あるGPSFishから、大樹の枝、Silent Majority 1.0などといった強豪ソフトを当てていったのですが上手が圧倒して正しいレートが出ません。ようやく釣り合ったと思われるのは読み太(第四回将棋電王トーナメント版)で計50局ほど対局した結果は

上手浮かむ瀬 (R3693) 30-20 下手読み太(R3534)(レート差70)

対局数少ないですがこれから推定できるハンデ付き浮かむ瀬のレートはR3607。もともとの浮かむ瀬から比べてレート差90程度であり、飛車落ちと同等以上のハンデということはないのではないかと結論付けれられます。

(2) 左香得

浮かむ瀬による初期盤面評価値は1070下手有利。これは実際飛車落ち以上です。しかし具体的に対局をさせると

Ukamuse 上手 51-2-15 GPSFish_minimal 下手 Ukamuse 上手 50-0-25 Apery_twig 下手 Ukamuse 上手 7-0-19 Silent Majority 1.0 下手

この対局結果からレーティングを計算するとR3307(+20/-17)となります。浮かむ瀬からのレート落ちはR400程度となりました。これは角落ち(レート落ち550-650)よりも少なく、想定のような大きなハンデにならないことが分かりました。

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