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評価関数を固定したときの探索エンジン比較:Apery_sdt5評価関数で魔女復活?

 最近、新ソフトの発表というと評価関数の更新が主で、探索エンジンはやねうら王に固定という状態が続いていました。この現象、WCSC27におけるelmoの劇的な登場の際、やねうら王との組み合わせとSilent Majorityとの組み合わせで大きな差が出た、やね/elmo 177-103 魔女/elmo(R差94)という結果によるものが大きい思います。WCSC27までははこの2つのエンジンで激しい競争が行なわれていましたのですが、探索エンジンの競争は本当に終わったのでしょうか?将棋電脳トーナメント5も終わり、新たな最強評価関数としてApery-sdt5が登場しましたので、このあたりで評価関数を揃えたときの探索エンジンのレート差を測り、各探索エンジンの位置付けを調査することにいたしました。今回の結果は、池泰弘さん(@YasuhiroIke) とmitsuyaさん(@snooze1mitsuya)との共同作業に基づいています。

 今回、調査を行ったエンジンはやねうら王4.79トーナメント, Silent Majority 1.25, 浮かむ瀬(sdt4), うさぴょん2dash(sdt4)で、評価関数はApery_sdt5を用いています。対局条件は私のサイトにおける標準設定(Core i7-6700で4スレ1手5秒相当、定跡はoff)です。棋譜はこちらに置いてます。結果的には以下のような結果となりました。(やねうら王/Apery_sdt5をR4124に固定)

 魔女とやねうら王が互角(!)という結果になりました。この二強に対して浮かむ瀬はR100強, うさぴょん2dashはR140程度の差となりました。思ったより差がないと思うのですがいかがでしょうか。

 対局数が若干少ないのはきになりますが、興味深い結果だと思います。elmoとの組み合わせではかなり大きな(R50-100)程度の差があったやねうら王と魔女が、評価関数をApery_sdt5にしたことで互角になりました。これは探索エンジンと評価関数の相性問題の存在を意味しているように思います。もともと、やねうら王と魔女ではApery型評価関数では互角でしたので,それがsdt5でApery評価関数のレベルが上ったあともその傾向が続いているのかもしれません。

 最後に各エンジン間の対局結果を述べてこの記事を終えたいと思います。

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